弁護士の小野です。小学生の頃は、田舎の学校(全校生徒30人)で、自然に囲まれた環境のなか、伸び伸びと過ごしていました。

去る10月28日(金)、リーガルロイヤルホテル小倉において、九州弁護士連合会(※1)第75回定期大会が開催され、当事務所から弁護士が参加しました。

今回の定期大会は、「ねぇ、きいてっちゃ!子どもの声と多様な学び」と題し、「子どもの意見表明権」(※2)をテーマに、子どもの権利に関する①問題提起および宣言案のプレゼンテーション②基調報告③パネルディスカッションが行われました。

➀では、まず、子どもの不登校・自殺者数増加の問題や、不合理な校則の問題(いわゆるブラック校則)などが、街の子供たちの声とあわせて紹介されました。続いて、国や自治体に対し、子どもの意見表明権確立のための取り組みを促し、弁護士会として継続的に活動していくことを柱とした宣言案のプレゼンテーションが行われ、参加者の賛同を得て、同宣言案は可決されました。

その後、②では、喜多明人先生(早稲田大学名誉教授)による基調講演「こども基本法の成立と日本の学校のこれから」が行われ、こども基本条例の制定状況や今後の課題等について、興味深いお話を伺うことができました。

確かに子どもの意見表明権を巡っては賛否両論があります。しかし、子どもの意見表明権の確立は、子ども権利条約及び子どもを含む個人の尊重を中核とする日本国憲法の精神から当然要請されることだと思いますし、教育的観点からも大事なことではないでしょうか。

私たち大人もそうですが、皆さんそれぞれ異なった考え方(意見)を持っています。意見を表明することで、他人の考え方を知ることができ、意見対立の調整が必要になるなど、多くの気づきや学びがあります。

つまり、「意見の表明」は、重要な学びの機会なのです。

皆さんも、子どもの意見表明権について、一緒に考えてみませんか?

 

※1 九州弁護士会連合会(通称「九弁連」)とは、弁護士会連合会の一つであり,九州地区(福岡高等裁判所の管轄区域)8県の弁護士会によって構成される団体です

 

※2 子どもの意見表明権とは、子ども権利条約第12条に規定されている意見表明権のことです。

 

【子ども権利条約第12条】

1. 締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。
2. このため、児童は、特に、自己に影響を及ぼすあらゆる司法上及び行政上の手続において、国内法の手続規則に合致する方法により直接に又は代理人若しくは適当な団体を通じて聴取される機会を与えられる。